「安い材料」は本当に得?利益を左右する意外な落とし穴

よくある“誤解”
安い材料に切り替えれば、仕入れコストが下がる。
だから利益が出やすくなる――。
そう思っていませんか?
実はそれ、
パン屋さん・パティスリーさんの間でも
よくある“誤解”なんです。
私たちは、日々多くのお店とお付き合いしています。
そして、数え切れないほどの試作や商品開発の現場を見てきました。
その中で、ある「共通点」に気づきました。
■「安い材料」にしたことで起きた“意外な問題”
たとえば、あるベーカリーさん。
定番商品に使っていたチョコレートを
数十円安いものに切り替えました。
「味はそこまで変わらないだろう」と思っていたそうです。
でも、いざ焼いてみると
溶け方が違う。
風味もどこか物足りない。
リピーターからは
「最近、味変わった?」という声が増え、
売上がじわじわ落ち始めたそうです。
結局、その商品を元に戻すことに。
そして試作と切り替えの手間で、
かえってコストが増えてしまいました。
■単価より“粗利”を見るという考え方
これはよくある話ですが、
問題は「単価」だけを見ていたこと。
仕入れ値が安くても、
味の満足度が落ちてリピートが減れば、
トータルでは売上も利益も下がってしまいます。
本当に大切なのは、粗利なんです。
「売れるかどうか」「価値を感じてもらえるか」
そのうえで利益が残るか――。
この視点で材料を選ぶと、
“単価を下げない”という判断が
実はお店の利益を守ることにつながる、
というケースは少なくありません。
■「選び方の視点」を見直してみませんか?
もちろん、仕入れコストに気を配ることは大切です。
でもそれ以上に、
・ロスが出にくい材料か
・歩留まりが良いか
・価値を伝えやすい素材か
こうした**“単価以外の指標”**に目を向けると、
同じ材料でも、利益の出し方がまったく変わってきます。
一度、ご自身の仕入れリストを
「単価」だけじゃない目で、見直してみてください。
新しい気づきがあるかもしれません。